黒縁メガネ男子に恋してる
言うだけ言って、行っちゃったよ、智哉……。
ぼんやり見送ってたあたしは、ふと我に返った。
ちょっと、なによ、その捨てゼリフ!
なんか、悔しいーーーっ!
でも。
――ドキドキドキドキ。
また心臓がおかしくなってきた。
智哉、どんな命令してくるつもりなんだろ?
メールが来るまで、落ち着かないよ……。
あー、もうっ!
なんだか、すっかり智哉のペース。
あたしは、心臓の高鳴りを忘れようと、いつも以上に自転車のスピードを上げて、家に帰った。