黒縁メガネ男子に恋してる

玉入れなら、たしかに走らなくていいもんね。


「はい、それでいいです」


すると、彼女は黒板にあたしの名前を書き足した。


でも、書き終えた彼女は、ニッコリ微笑んで、またあたしを見る。


ん、なに?


「すみません、仙道さん。
競技は玉入れでいいんですが、私がさっき聞いたのは、応援団のことなんです」


「えっ、応援団?」


クラスメートたちの数人が、あたしを見て、クスクス笑っている。


そうか!


さっき、彼女があたしに「どうですか?」って聞いたのは、応援団のことだったんだ!


それなのに、あたし、競技のことだと思って返事しちゃって……。

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