黒縁メガネ男子に恋してる
中2の終わりの春期講習から、あたしは高校受験のために、塾に通い始めたんだけど、
そこで、『デブ』だの『ブス』だのって、一部の女子にいじめられてた真喜子をかばったことがある。
「あのときの綾華ちゃん、すっごくかっこよくて、私、ホントに嬉しかったの。
どう? 私の幼なじみはこんなに素敵な人なのよって、大声で叫びたい気持ちだった」
「あー、そう?
でも、今考えると、すごい上から目線で言ってたよね、あたし」
苦笑いしながら答えると、真喜子は胸を張って、あのときのあたしのマネをした。
「人を見かけでしか判断できないなんて、幼稚ね。
自分だって、たいして美人でもないくせに!」
「うわー、真喜子やめてよー!」
恥ずかしくて、顔が熱くなる。