黒縁メガネ男子に恋してる

「ちょっと綾華、聞いてる?」


菜々美の声で、我に返る。


「えっ、あ、ごめん。なんだっけ?」


笑顔を作って、菜々美に視線を移す。


「もぅー、やっぱり綾華、あやしー!」


「いや、ちょっと、寝不足なだけだから」


そうごまかすと、菜々美は「そうなんだ?」と、おしゃべりを再開した。


智哉に話しかけるのは、今はムリそうだね。


あとで、休み時間にでも、昨日のカラオケのこと、詳しく聞こう。


あたしは、もう智哉の方を見るのはやめて、菜々美の話に集中することにした。
< 217 / 513 >

この作品をシェア

pagetop