黒縁メガネ男子に恋してる
あたしがそんなことを考えてると、智哉は、ひと気のない廊下の端を指差した。
「ちょっと、こっち来て」
なんだろ?
不思議に思いつつ、ついて行くと、智哉はあたりを気にするように声をひそめた。
「昨日のカラオケにさ、野苅家たちのグループも来てたんだけどさ」
野苅家って……、ひびき?
あぁ、ひびきたちと雄太たちは仲いいもんね。
女子の派手グループと、男子の派手グループは、似た者同士、お互いに気が合うんだろう。
一緒にカラオケに行ってたって、不思議じゃない。
「うん、それで?」