黒縁メガネ男子に恋してる

あたしがそう答えたとたん、智哉は、慌てたようにあたしから視線をはずした。


「あー、悪いっ、なんでもない!
そうだよな、聞いたんだよな」


「うん、そうだけど?」


「あー、えっと、そう、中2の頃さ、ちょっと、なんつーの、反抗期っつーか、そういうの、誰でもあるだろ?
俺もそんな感じで、茶髪にしたときがあったんだよ。
ただ、それだけ!」


相変わらず、あたしの方は見ないで、そう答えた智哉。


しかも、耳、赤くなってるし。


反抗期がそんなに恥ずかしいのかな?


まぁでも、たしかにそういう時期、あるよね、誰でも。


「ふーん」


って、返事はしたけど。


なんか、変な感じ。

< 321 / 513 >

この作品をシェア

pagetop