黒縁メガネ男子に恋してる

智哉は相変わらずクールな表情で、あたしを見る。


「なぁ、なんでこんなヤツ、助けようとするんだよ?
こんなクズ、警察に引き渡しちまえばいいじゃねーか」


いつになく、冷徹な智哉の言葉に、あたしは反論した。


「こんなサイテーなヤツでも、クラスメートでしょ?
最悪の事態になる前に、手を引かせるのが友達でしょ?」


「友達? コイツが?
綾華、あんだけコイツにひどいことされて、それでも、友達だと思ってんのかよ?」


「あんだけひどいことって……」


智哉が、イライラしたように言った言葉に、なにか引っかかった。


「雄太にひどい目にあわされたんだろ? だから別れたんだろ?」


「えっ……」

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