黒縁メガネ男子に恋してる
智哉が、あたしの耳に顔を近づけてきたのがわかった。
耳に息がかかって、くすぐったい。
首をすくめると、智哉がささやいた。
「あとさ、綾華がまだなのは、俺にとってはラッキーって思ってる。
それだけは、雄太に感謝してる。
俺のためにとっといてくれて、サンキュってさ」
まだ? とっといてくれて……?
それって……。
――ボンッ!
意味がわかったとたん、頭の中でそんな爆発音が聞こえた。
イヤ――――――ッ!
「と、智哉のバカーーーッ!」