黒縁メガネ男子に恋してる
「あの、ちょっといいかな?」
体育祭実行委員の子だ。
クラス全員の視線が、立ちあがった彼女に集まる。
智哉も、チャラ男も、彼女の方を向いた。
「藤波君が転校することは、たしかなんだよね?」
聞かれたチャラ男は、「あぁ」とうなずく。
「じゃぁ、藤波君の代わりに、体育祭のリレーの選手と、応援団のメンバーを、だれかにやってもらわないといけないんだけど」
あぁ、そっか。
雄太は、両方やってたんだっけ。
ザワザワと教室のあちこちで相談が始まる。
でも、リレーも応援団も、体育祭の花形で、雄太の仲間ばかりがメンバーになってるせいか、やりたいと手をあげる男子はいない。