黒縁メガネ男子に恋してる
智哉は、もう昨日から、あそこのメンバーとはつるんでないんだけど、そんなこと、まだだれも気付いてないんだと思う。
で、智哉は……、と見ると。
かすかに、イヤそうに顔をしかめてる。
でも、パッと見にはわからないくらい、ほんのちょっとだけ、だけどね。
当然、体育祭実行委員の子も、智哉のそんな様子には気付かないようで、ふつうに問いかけた。
「蔵田君、やってもらえる?」
「いや、俺、騎馬戦に出ることになってるから……」
「あぁ、それなら大丈夫。
騎馬戦は午前中で、リレーは午後最後の競技だから、両方出ることは可能よ」
彼女の冷静な返事に、智哉はため息をついた。
「わかった。じゃ、リレーは出るよ。
でも、応援団は勘弁して」
すると、またひびきが口をはさんできた。