黒縁メガネ男子に恋してる


次の休み時間、あたしは菜々美を誘って廊下に出た。


「菜々美、雄太のこと、黙っててゴメン」


昔付き合ってたのを、内緒にしてたことを謝る。


ところが。


「あぁ、あれね、知ってたよ」


「え?」


「あたし、そういう情報、けっこう早いんだよね」


フフ、と自慢げに笑う菜々美。


「えーっ、いつから知ってたの?」


「うーんと、4月半ばくらいから。
綾華が言わないから、言いたくないんだろうなと思って、あたしも黙ってただけ」

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