黒縁メガネ男子に恋してる
しんと静まったグラウンドに、スターターの声が響く。
「よぉーい……」
――パーンッ!
「行け行けーっ!」
「走れ、走れーーーっ!」
グラウンドの2カ所に立つ、敵の棒に向かって、赤白両軍の男子たちが、猛スピードで飛びかかっていく。
体育祭の目玉競技のひとつ、男子の棒倒しだ。
「智哉ーっ、がんばれーーーっ!」
あたしも声を限りに応援する。
すると。
すさまじい勢いでもみあっている塊の上に、智哉が乗り上げた!