黒縁メガネ男子に恋してる
「綾華、さっきからおかしいだろ?
なにがあった?」
「えっ、いや、べつに……」
見抜かれてたことに動揺しそうになる心を、あわてて引き締める。
「ウソつくな」
ひと気のない校舎裏に来ると、智哉はあたしの顔をのぞきこんできた。
「なにか、隠してるのくらい、わかる。
正直に言えよ。
それとも、俺に言えないようなこと?」
まっすぐな智哉の視線が痛い。
うぅ、ごまかしきれそうにない……。
それに、こんな秘密をずっと抱えて、今までどおりに智哉と接し続けることは、きっとあたしにはできない。
あたしは、あっさりギブアップした。