黒縁メガネ男子に恋してる

そう、智哉は、あのときの名前も知らない男の子だった。


あのときの智哉は、茶髪だったし、メガネもかけてなかった。


その外見だけで、チャラ男って決めつけてたから、


黒髪で黒縁メガネの智哉に高校で再会しても、あたしは全く気が付かなかったんだ。


でも。


さっき、メガネなしの顔を見た瞬間、あのときの男の子と、智哉が同一人物だって、一瞬で気付いた。


まさか、って思ったけど、あのときの彼の、驚いたような傷ついたような顏は、今でもしっかり頭に焼きついてて。


間違えようがなかった。


今まで気付かなかったのが、自分でも不思議なくらい。

< 429 / 513 >

この作品をシェア

pagetop