黒縁メガネ男子に恋してる

それなのにあたしは、あのとき、智哉を外見だけで判断した。


智哉が、どんなヤツかを知ろうともしないで……。


最低なのは、あたしだ……。


すると。


「なに、暗くなってんだよ?」


そう言って、智哉は、ふわりとあたしを抱きしめてきた。


「外見で第一印象が決まっちまうのは、しょうがないことだろ?
そんなこと、綾華が気にする必要ない。
ちゃんと自分をアピールしないで、いきなりコクった俺が悪いんだよ。
やり方を間違えたのは俺の方だから」


微笑んであたしを見つめてくれる智哉を、切ない気持ちで見上げる。


智哉……。

< 434 / 513 >

この作品をシェア

pagetop