黒縁メガネ男子に恋してる
その後、智哉は、一度も道を間違えることなく、チェックポイントを回った。
それも、あたしの願いどおり、最短ルートで。
あたしたちの分担の、西のチェックポイント4か所をすべて回り終えたとき、
時刻は、11時35分だった。
雄太との約束の、12時15分まで、まだあと40分もある。
「やった、終わりー! 智哉、サンキュ。
最短ルートで行ってくれたおかげで、すっごい余裕」
「べつに。こんなの普通。
ま、地図見るのに、地図を傾ける綾華に任せてたら、いまだに最初のチェックポイントにも着いてなったかもしれないけどな」
「ハァ? ちょっとぉ!」
つめ寄るあたしをニヤニヤしながら見下ろして、智哉はケータイを取り出した。