黒縁メガネ男子に恋してる
雄太がちゃんと、制限時間までに校門に来てくれなかったら、うちの班は失格。
つまり、罰ゲームのマラソン決定になっちゃうんだ。
「あっ、もう、12時過ぎたぞ。
綾華、校門まで走れるか?」
時計を確認した智哉に、あたしはうなずいてみせた。
「うん!」
あたしたちは、校門に向かって走りだした。
だけど、今までの疲労と、ひざの打ち身のせいで、あたしはちっとも速く走れない。
ってか、もともと走るの遅いんだよね、あたし。
すると、前を走っていた智哉が足をゆるめ、いきなりあたしの手をつかんだ。
えっ?