黒縁メガネ男子に恋してる

雄太がちゃんと、制限時間までに校門に来てくれなかったら、うちの班は失格。


つまり、罰ゲームのマラソン決定になっちゃうんだ。


「あっ、もう、12時過ぎたぞ。
綾華、校門まで走れるか?」


時計を確認した智哉に、あたしはうなずいてみせた。


「うん!」


あたしたちは、校門に向かって走りだした。


だけど、今までの疲労と、ひざの打ち身のせいで、あたしはちっとも速く走れない。


ってか、もともと走るの遅いんだよね、あたし。


すると、前を走っていた智哉が足をゆるめ、いきなりあたしの手をつかんだ。


えっ?

< 97 / 513 >

この作品をシェア

pagetop