黒縁メガネ男子に恋してる
びっくりしていると、
「綾華、もう少しだ、ガンバレ!」
智哉はそう言って、あたしの手を引っ張って、走り出す。
うわっ、なにこれ、ヤバい!
――ドクンドクンドクンドクン。
鼓動がメチャクチャ速いのは、走ってるせい?
それとも、智哉の手のせい?
男子に手を引かれて走るなんて、初めて。
グイグイ引っ張る智哉の手は、すごく頼もしい。
それに、羽が生えたみたいに、体が軽い。
こうやって手を引っ張ってもらえば、どこまででも走れそう。