黒縁メガネ男子に恋してる

びっくりしていると、


「綾華、もう少しだ、ガンバレ!」


智哉はそう言って、あたしの手を引っ張って、走り出す。


うわっ、なにこれ、ヤバい!


――ドクンドクンドクンドクン。


鼓動がメチャクチャ速いのは、走ってるせい?


それとも、智哉の手のせい?


男子に手を引かれて走るなんて、初めて。


グイグイ引っ張る智哉の手は、すごく頼もしい。


それに、羽が生えたみたいに、体が軽い。


こうやって手を引っ張ってもらえば、どこまででも走れそう。

< 98 / 513 >

この作品をシェア

pagetop