キミの知らない物語。【完】
大丈夫、大丈夫。そうだよ、大丈夫。大切な二人がもっと幸せになるんだ。
今日を乗り切れればきっと大丈夫、明日からはちゃんと戻れるよ、ただの幼馴染に。諦められるよ。
「――だから、絶対、絶対絶対、……二人が上手くいきますように」
意味も無く、暗い倉庫でぱんぱんっと手を鳴らした。
神様にお祈りする。
――これが、あたしから悠也へのプレゼント。
“頑張れの気持ち”
――明日からはちゃんとしっかり、“幼馴染み”で、“トモダチ”をやるから。
――だから、今日は。
「――はは、……っ、」
思いっきり、泣くことにして、忘れる。