キミの知らない物語。【完】
「……11時40分……?」
驚いて、ひとりなのに素っ頓狂な声が出た。
うそ。ホントに? 夜の? 11時? ていうよりもうすぐ日付がかわる時間?
そこで着信数がものすごいことに気付いた。
うわ、お母さんに心配かけちゃったかも……。急いで帰らないと……お、怒られる。
ゾッとして慌てて履歴を開けば、そこに並ぶ名前は
≪お母さん≫
≪悠也≫
≪菜乃子≫
――埋め尽くされている。
どころか、クラスメイトや中学時代の友達の名前まである。
メールもすごい量だし。
多分、お母さんから連絡がいったのだろう。