空色ドロップス
あの子のいる場所
――桜ノ宮町東児童相談所――
入り口にある看板を見ながら、一つ小さな溜め息を吐いて、中へと足を進める。
受付窓口に
「おはようございます、葉山莉緒の兄ですが九時の約束で、真山さんとの面談に伺ったのですが。」
と、声をかけると、
「少々お待ち下さい。」
という、マニュアル通りの言葉と笑顔が返ってくる。
三分程待っていると、もう、何度見たかも忘れた児童相談所の相談員である真山さんが
「おはようございます。」
と、軽い挨拶をしながら、こちらに歩いてくる。
「おはようございます。」
と、挨拶を交わし、本題へと話を移す。