空色ドロップス
「あの…真山さん…今月は…莉緒とは………。」
少しの期待を込めて言葉を紡げば、
もう、何度となく見てきた、申し訳なさそうな顔で頭を下げながら、
「申し訳ありません、今月も、お会いしたくないとの事です。」
三年間、兄弟三人で聞き続けた言葉を、今月も目頭を押さえながら聞く…
「そうですか……今月も、駄目でしたか……」
何度となく吐き出して来た言葉を今月も、俯きながら、小さな声で呟く。
「はい…一週間程前から、面談日の話はしておいたのですが、会いたく無いという事でした、私共も無理強いはできませんので……」
三年間代わり映えのしない言葉をどこか空虚に聞いていく。
「それとですね、莉緒さん、今日の明け方に、喘息の発作と過呼吸を起こしまして、最近、精神的にも少し不安定になっていましたので、今朝から入院しています。」
真山さんの話を聞きながら、苦しく辛い想いをする莉緒の事を考える、言葉を紡ぐこともできず、ただ、呆然とする事しかできない。
「電話で連絡させて頂こうかとも思ったのですが……今日はお兄さんと少し、大切なお話をさせて頂きたいと思いまして、お越し頂けるのを待っていたのです……。」
真山さんは神妙な面持ちで僕に話しかけて来る。