空色ドロップス
「お話というのは…………。」
「はい…今日は、親権と養育権の事についてお話させて頂きたいと思いまして………。」
「親権と養育権……ですか?」
思いもよらない言葉が真山さんの口から出てきて、少し驚く僕がいる。
「はい、現在、莉緒さんの親権と養育権は児童相談所の方で預からせて頂いている状態はご存知ですね?」
真山さんは、確認するように僕に問い掛けてくる。
「……………はい……。」
何とも居心地が悪いが、これは、自分達が五年前に無責任に決めてしまった事、知りませんと知らん顔する事は出来ない事実。
「何度かお話させて頂きましたが、児童相談所の特別措置も、児童養護施設の入所も、原則18歳までとなっています。」
「………はい、伺っています。」
「莉緒さんは、来年度の三月、高校を卒業しますと、退所ということになります。その場合、就職して、一人で暮らし始める子どもが大半なのですが、両親が居ない、親権、養育権の返還が難しいご家庭の場合は、児童相談所が継続して、親権、養育権を預からせて頂く様になっています……」
「………そうなんですか…。」