深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





指輪に涙が落ちて、一層綺麗に見えた。


私には縁のないものだと思ってたから。
こんな綺麗なものなんて、私には与えられないんだと――…










「わ、…私で、いいんですか?」


「あぁ。………こんなに、こんなに大切で愛しいと思えるのは環だけだから、一生俺のそばにいてほしい」


その言葉に、顔を上げた。



「よろしく、お願いします」





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