深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
3. 緩やかに微睡んで
目を閉じる。
すると視界は黒に覆われた。
でも、何の音もしない。
あの忌まわしい金属音も、心臓を鷲掴みにされたような苦しさも感じない。
―――誰も私を怒らないのね?
そう思ったこどもは、与えられた安らぎに身を委ねました。
初めてだったんじゃないでしょうか。
このこどもが、ここまで安心できたのは。