深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





(…しかし、顔色悪かったなぁ)




さっき一瞬だけガラスに映った姿を思い浮かべながら私は目を細めた。


昨夜は結局大した時間眠れていない。
…昔から眠りは浅い方で、すぐに目を覚ましてしまっていたのだ。


最後にぐっすり眠ったのはいつだったかなぁ…


そんなことを考えながら私は資料室の鍵を開ける。
鉄の扉の開く音がなんだか妙に重たく感じて息苦しい感じすらしてしまって、躊躇しながらも中に入った。



「ほこり臭…」


普段あまり人が入らない資料室はつけられた明かりにほこりが舞うのがわかるくらい手入れがされてなくて、私は扉を開けっ放しにしたまま室内に入ることにした。





< 4 / 159 >

この作品をシェア

pagetop