深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
見上げる私と、私を見下ろす彼女たち。
…あのときと同じだ。
違うのは、鎖で繋がれていない私は今すぐにでもこの場から逃げられることくらいで。
(どう、して)
そう思っても誰も答えなんかくれない。
ただ悲しみと絶望が、私の心を埋め尽くしていく。
「………なんか言いなさいよ!」
その瞬間だった。
しびれを切らした目の前の人が、私の頬を平手打ちする。
痛い、痛いよ。
でもそれ以上に、心が痛い。
「どうせアンタだって玉の輿狙いでしょ!?そんなツラで浅ましいにも程があんのよ!」
「―――浅ましいのはどっちだかなァ?」