深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





そうして、芦谷さんお手製の肉じゃがを食べてシャワーを借りて。
新品のかわいらしい下着をつけ、複雑な気持ちでリビングに戻るとパソコンとにらめっこしている芦谷さんの姿。


背後からそっと画面をのぞくと、レディースの通販サイトが映っていた。



「…え」


「ぅおっ!な、何だよ声かけろよ」


私に気づいて振り返り、耳まで真っ赤にしている芦谷さんは慌ててウインドウを閉じた。



「女物の下着なんて買いに行けねぇだろ!」


どうやら私が今つけている下着もこうやって注文してくれていたらしく。
恥ずかしくなったのが無言で浴室に行ってしまった芦谷さんを目で追って、私は思わず吹き出してしまった。





< 60 / 159 >

この作品をシェア

pagetop