君のために僕は泣く
第一章
暗い暗い
暗闇の中から
今でも逃げ出したくて
あたしは必死にもがいてる。


愛する人は死に、また愛する人には裏切られ、また愛する人とは離れ離れになった。


家庭崩壊。
それがあたしたち家族の最悪の結末だった。


赤崎玲子、17歳。
現在都立高校に通い、一人暮らしをしている。


今日もまたこの無機質で冷たいコンクリート打ちっぱなしの部屋で朝を迎える。

玲子は腰まで伸びた長い髪をとかし、制服に袖を通す。


最近は何かと面倒なことが多く、学校に行くのが憂鬱だ。


しかし、1年生で単位ギリギリまで休んだりサボったりしたので、教師も何かとうるさいので行く必要がある。


どうせ後、この2年頑張れば学生生活も終わる。


その先のことなんて考えてない。


勉強もスポーツも趣味もやりたいことなどないのだ。


ただ生きてるだけ。


ただその時が過ぎていけばいい。


ずっとそう思ってたんだ。



遅刻ギリギリに学校につくと最近玲子が一番憂鬱になる原因がやってきた。


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