ようこそ!マル質番外編
その様子をずっと男の後ろで見ていた彼は、胸の鼓動が高鳴るのを感じた。


白い布に見覚えがあったのだ。


とてもイヤな匂いのする布。


あれで口を塞がれた後、目が覚めるとあの部屋にいたのだ。


そして・・・


彼はぎゅっと強く目をつぶった。


目を開けると男が意気揚々とあの部屋へ帰って行くのが見えた。


―イケナイ!あの子が危険だ!!


彼は男の後に付いて走り出した。


「うわぁぁぁぁ!!」


しかし、突然の突風に煽られて高く高く舞い上がったのだった。
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