ようこそ!マル質番外編
突然、広くはない部屋の四隅から黒い触手が生まれい出で男に襲いかかった。
「うわああああああ!!!」
抵抗する間もなく男は一瞬にして闇に飲み込まれた。
彼はそっと部屋に忍び込み少女を拘束する縄を断つ。
急に自由になったことに怯えつつも、その後少女は自力で外へと脱出した。
泣きわめく少女が通行人に保護されたのを見届けると、彼はほっと一息ついたのだった。
自然と口の端に笑みが零れる。
そんな自分に驚いて、彼は慌てて笑みを引っ込めた。
―ニンゲンだ・・・
そうだ、残虐非道なことをする恐ろしい生き物。
そう、時として同族にさえ手をかける・・・
けれど彼にはどうしても、あの小さな女の子が残虐な生き物には見えなかったし、これからそんな恐ろしい生き物に成長していくとは思えなかった。
これだけ恐ろしい経験をして、残虐なことをする側になど決してなって欲しくない。
それでも彼にはよく分かっていた。
今の自分にできることは、彼女が心優しい生き物になれるように祈ることしかできないということを。
「うわああああああ!!!」
抵抗する間もなく男は一瞬にして闇に飲み込まれた。
彼はそっと部屋に忍び込み少女を拘束する縄を断つ。
急に自由になったことに怯えつつも、その後少女は自力で外へと脱出した。
泣きわめく少女が通行人に保護されたのを見届けると、彼はほっと一息ついたのだった。
自然と口の端に笑みが零れる。
そんな自分に驚いて、彼は慌てて笑みを引っ込めた。
―ニンゲンだ・・・
そうだ、残虐非道なことをする恐ろしい生き物。
そう、時として同族にさえ手をかける・・・
けれど彼にはどうしても、あの小さな女の子が残虐な生き物には見えなかったし、これからそんな恐ろしい生き物に成長していくとは思えなかった。
これだけ恐ろしい経験をして、残虐なことをする側になど決してなって欲しくない。
それでも彼にはよく分かっていた。
今の自分にできることは、彼女が心優しい生き物になれるように祈ることしかできないということを。