ようこそ!マル質番外編
「お前ら一体何がそんなに憎いんだ!?


こんな暗い所でふよふよしてたってどうにもならないだろうが!!」


思いきり叫んではあはあと荒い息を繰り返す彼に、声はそっと近づき静かな声で語りかけた。


『すでに何を憎んでいたのかすら思い出せない程憎んで憎んで、絶望したんだ。


そのうちただ憎むだけの存在になった。


理由など必要ない。


ただ自分の憎しみを誰かに聞いてほしい、ぶつけたいとただようばかり。


だから誰かに声をかけられても気が付きもしない。


このままではだれこれ構わず害を成す存在になりかねないから、ここで自由にさせている。』


彼は小さな体を精一杯伸ばして声の足を掴んだ。


暗闇に隠されたその顔に、今どんな表情が浮かんでいるのかどうしても知りたくて。


「オレもこうなるのか・・・?」


『お前はそうはならない。


そうだろう?』


聞き返されて彼は言葉を詰まらせた。
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