ようこそ!マル質番外編
『夢衣。』


声が誰かの名を呼ぶと、ちりりんと鈴の鳴る音がした。


『さあ白ネコ。あの人間はお前の手の中だ。


・・・お前の望みは。』


彼は胸の奥底から湧き上がってくる怒りと悲しみを抑えきれず、答えた。


「あんな奴・・・オレと同じ目に合えばいいんだ!!!」


『ぎゃああああああああああ!!!』


突然男の体が千路に引き裂かれ、飛び散った。


ごくん、と唾を飲んだ彼は恐怖にがたがたと体を震わせた。


ちりりん、ちりりん、と暗闇に嫌に大きく鈴の音が響く。


夢衣と呼ばれた誰かの姿は見えない。


ちりりん、ちりりん・・・


『嫌だ!どうしてこんな、ぐああああああああ!!』


その間にも、胴体から引き離された男の首が苦痛に叫び続ける。


「・・・めろ、・・・止めてくれ!!!」


耐えかねて彼は叫んだ。


それを合図に鈴の音が止み、男の体はゆっくりと元の状態に戻っていった。
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