ようこそ!マル質番外編
「どうって、どうすればいいんだよ?」


『任せる。』


そう一言残すと、声の主は姿を消した。


それと同時におそらく夢衣だろう、もう一つ気配が消えて辺りには色とりどりの火の玉だけが残った。


白梅はじっと男を見つめ、紅い火の玉を見詰めた。


なぜか似ている、とふと思った。


―こうなるまでには何か理由があったはずだ。


 ただ、本人にすら理由が分からないから、他のものにはもっと分からない。


白梅はとてとてと男の居る空間に近づき、「おい」と声をかけた。


『誰だ!?誰かそこにいるのか!?』


返事が来て、白梅の方が逆に驚いた。


「そうか、オレ人間と会話できるようになったのか・・・」


これも名前と共に与えられた力と思って、白梅は納得することにした。


そしてもう一つ気がついた。


「お前、オレの声が聞こえるんだな?」


『はぁ!?何言ってんだよ、聞こえるに決まってるだろ!?


助けてくれぇぇぇぇぇ!!!』
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