ようこそ!マル質番外編
気がつくと男は部屋の中にいた。


その手には白刃が握られている。


「な、何だったんだ今のは!?」


震える声で辺りを見回す。


「そうだ、女の子は・・・」


しかし、部屋には誰もいなかった。


男は急に体の力が抜けて床に座り込んだ。


ほーっという長い溜息が、心の奥底からこぼれ出た。


「そうだ、夢だったんだ。


全部全部夢だったんだ!


そうだよ、俺が女の子を解体しようなんて、そんな馬鹿な真似する訳ないんだ!」


しかし、はっと思い直して記憶を探る。


ゆっくりとクローゼットを振り返り、手を伸ばして少しづつ開けていく。


男はがくりと膝をついた。


そこにはまぎれも無く彼が手をかけた白ネコの、紅い血でべったりと濡れた体がビニール袋に詰め込まれていたのだった。
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