ようこそ!マル質番外編
「ああ、白梅ははじめてでしたね?


あなたがここへ来てからもう一年ですか・・・」


月夜がしみじみと呟いた。


「なあに、人の世界の花見と一緒ですよ!


年に一度花をつける巨木がありまして。


花見ついでにこの業界のモノたちが集いますから、新顔の顔合わせと情報収集を兼ねているんです。


ちょうどイイから白梅の紹介もしましょうね。」


にこりと笑った月夜に白梅は尻尾をピン!と伸ばしてうろたえた。


「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。


番人仲間もいることですし。


さ、早速いきましょうか。」


白梅は伸ばされた手に前足を乗せ、二人はマル質本舗を後にしたのだった。
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