ようこそ!マル質番外編
そこからまた思い出話に花が咲き、白梅はこっそり抜け出した。


ヒトビトの足元を摺り抜け花に近づいて行く。


見上げた巨木から一枚の花びらが降って来て、とてもイイ香りがした。


見とれてぼんやりしていると・・・


「こんばんは。あなたも一人?」


愛くるしい声が聞こえて、木の向こう黒猫が顔を出した。


「うん☆俺、白梅。君は?」


「あたしは・・・」


「おう、白ちび!月夜はどうした?」


黒猫が答える前に、その後ろから黒椿がゆらりと現れた。


「月夜のにーちゃん!」


白梅は嬉しくなってとてとて走っていった。
< 48 / 70 >

この作品をシェア

pagetop