ようこそ!マル質番外編
「俺、白梅っていう名前を貰って番人になった時、はじめて夢衣に会ったんだ・・・」


パルルの垂れた耳がぴくんと揺れた。


「俺、生きてるときは野良猫で、毎日けんかして、雨の日にはびしょぬれで・・・


最後はばらばらにされたんだ。」


「・・・ここに集まる番人たちは、皆そんなもんだろ、」


静かな声でそう言ったパルルに、白梅は「そうなのか?」と驚いた。


パルルはそれには答えず顎を上げて、話しの続きを促した。


「その時、疲れ果てて眠った俺を膝に乗せて、夢衣は素敵な夢を見せてくれたんだ。」


白梅は夢を思い出したのか、ふふっと小さく笑った。
< 55 / 70 >

この作品をシェア

pagetop