ようこそ!マル質番外編
「あいつはご主人がいくら止めても、夢衣の甘い夢を買い続けた。


どんな夢だったのか僕は知らない。


でも・・・夢衣が夢を売るのを止めてくれていたら、廃人にならずに済んだのに。」


それから二人は黙り込んで、空を見ながら考え込んだ。


「なあ、そいつがもっと強かったら夢に溺れたりしなかったんじゃないか?」


ぽつりと言った白梅にパルルはため息を一つ、


「ニンゲンは弱いから。


ご主人様だってホントは分かってるはずなんだ。


でも、認めてしまうのは、悲しすぎるから。」


と呟いたのだった。


その時突然どんっ!と地面が揺れ、花見客のいる辺りで火の手が上がった。
< 57 / 70 >

この作品をシェア

pagetop