ようこそ!マル質番外編
「この業界にはね、白梅。


番人や番人と関わりを持つ者を馬鹿にする輩が後を絶たないんですよ。


番人は所詮、」


そこで月夜は一旦言葉を切り、苛立った瞳でこう言った。


「『畜生だ』とね。」


ちくり、と白梅の胸が痛んだ。


「ですが白梅。


私はあなたが側にいてくれて、良かったと思います。」


ニコリと微笑んだ月夜に白梅はすりすりで応えた。


「ったりめーだ。


人から得た代償で生き長らえる俺らが、一体なんぼのもんだってぇんだ!?


てめぇは何様のつもりなんだよ!」


黒椿の怒号に男はびびって後ずさった。
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