夕日塔の約束
直次と遠藤さんがケンカしてる間に来た夕穂にハードル運びを頼んだ米林先生は、言いたい事を言うと去って行ってしまった。


「………もう…勝手な……」


文句を呟く夕穂の頭を撫でかけたが、皆がいるのでやめとく。


ハードル運びは大変だけど、用具室に行くまでは夕穂と2人でいられる。


この時、心の中でガッツポーズをしていた事は、夕穂には内緒だ。


「夕穂……用具室行こう」


名前の部分は小さく呼び、グラウンドの端にある用具室を指差す。


ニヤける顔を見られない様にするのが大変だったのも、ずっと内緒にしておこう。
< 120 / 323 >

この作品をシェア

pagetop