夕日塔の約束
友達同士だった頃から優しくて………日希はクラスでも人気者だったのを思い出す。


『ごめんね日希!!遅れちゃった!!』


デートで待ち合わせに遅れても、頭ごなしに怒ったりしない。


『いいよ。全然待ってないし』


いつも私の事を考えてくれる………理想の彼氏だった。


まさかあんな風に彼女を裏切るとは到底思えない程、真っ直ぐな人だったんだ――――……


「…オイ夕穂?夕穂!?ボーーッとして、どうした?」


トリップしてて、気がついたら日希が私の顔の前で手をバタバタ振っていた。


「あっ……ごめん何でもない!!」
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