夕日塔の約束
そう言うと、先に用具室を出て行った。


「下河ーー!お前遅いぞ、何してたーーー!?」


「すみません、ハードルどこにあるのか分からなくて………」


グラウンドから米林先生とやり合う日希の声が聞こえる。


私は呆然モードで、電柱の様に真っ直ぐ固まって動けなくなっていた。


“今度こそ、守り通すから”


用具室を出る直前、日希が言った言葉がリピート再生されて止まらない。


「守る………?アイツが、私を……?」


「夕穂ーーー?いるぅーーー?」


呪文みたくブツブツ呟いてると、稚鶴が用具室の扉から顔を覗かせた。
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