夕日塔の約束
隣に座ってた私は、恐る恐る尋ねた。


「ん?平気平気。これ位大した事無いし!」


稚鶴…のん気に笑ってるけど、クラスメイトの殆どが未だに硬直してるよ?


「女の子なんだから、あんまりムチャしないでよ……心配しちゃうから」


コレを聞くなり、稚鶴の片マユがピクッとつり上がった。


ん?………もしや怒ってる?稚鶴……


「心配しちゃうのは私の方だよ夕穂ちゃあ~~~ん……」


どうやら私の予想は当たっていたらしく、稚鶴の声は普段とは全然違うひっくーい音域。


「アハ…」


ゆっくりとイスを動かし、稚鶴から離れた。
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