夕日塔の約束
2人で廊下に出て、塾がある直次はそのまま玄関に向かい、オレは屋上へ足を進める。


「いい天気じゃねぇか………あーーマジねみぃ……」


9月の中旬に差し掛かる秋空の下、屋上の床にカバンを下ろす。


そのままマクラ代わりにして、ゴロンと寝転がった。


ウトウトと眠くなるも、ケータイを開いてアドレス帳を表示。


な行に“野々谷 夕穂”の名前があるのを見ただけで、笑顔になった。


「夕穂に電話してぇなぁ………でもやめとこ。いきなりしたら迷惑だし」


夕穂が嫌がる事は……もうしたくない。


『アンタなんか大っ嫌い!!』
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