夕日塔の約束
今の今まで頭の中にいた女の子が腰を曲げて寝転がるオレを覗き込んでて、慌てて飛び上がる。


ミディアムの髪を後ろでポニーテールにした夕穂は、トンッとオレの隣に座った。


「夕穂、お前いつからいたんだ?」


隣に座ってくれた驚きと嬉しさで裏返った声。


「ん……アンタが来た5分位前かな?」


その答えに、更に驚いた。


「だったら声かけてくれればいいじゃねぇかよ!ビックリしたんだけど!!」


「ごめん。でも日希眠そうだったからさ……寝たらコッソリ出てこうと思ってたの」


夕穂が、ほんのちょっとだけクスッと笑った。
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