夕日塔の約束
真向かいに座ってサラサラ鉛筆を動かす稚鶴がアドバイスしてくれるも、なかなか上手く行かない。


絵の上手な稚鶴とペア組んで比較されたらどうしようとか思っちゃう私は、ヒドイ女でしょうか?


「野々谷さん、焦らずゆっくりとでいいのよ」


美術の担当教師が優しく言ってくれる。


私は一度深呼吸して、気持ちを落ち着かせた。


「夕穂~~~っ♪カワイく描いてよねーーー♪」


稚鶴が明るく和ませてくれたのもあって、それからはスラスラと鉛筆が進んだ。


「下手でも怒らないでよ稚鶴」


「怒らないから見せてよーーー夕穂」
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