夕日塔の約束
「何でもねぇよ。来年は受験生だから、勉強で遅くまで起きてて、寝不足なんだよ」


そう言う日希は、クルリと私に背を向けた。


勉強で寝不足?だったら宮迫君、別に隠す必要無くない?


まぁ、どうでもいいか。


「フーン。頑張りなよ」


「…………ああ」


この“頑張りなよ”が、日希にとっては違う“頑張りなよ”になってる事には全く気づかずに


私は、無責任な発言をしていた。


ねぇ日希?


この時……私に顔を見せなかったのは


とても悲しそうな表情を見せたくなかったアナタの優しさ?


もし見てたら…私は………
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