夕日塔の約束
自転車を走らせ、適当に本屋に目的地を設定する。


行きつけの本屋に行って、欲しかった本を手に入れた。


「さぁーて、どこで読もっかな」


家に帰ろうにも、オレには小学生の弟と妹がいて騒がしい。


ゆっくり読める所を考えてると、とある場所が浮かんだ。


毎日登下校する時、近くを通り……いつも胸を締め付けられていたあの場所が。


「………行ってみるか……」


また自転車に乗り込み、ペダルを漕ぐ。


ちゃんと交通ルールを守って10分程漕いでると――――…見えて来た。


赤茶のレンガが積み重なった、高い塔が。
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