夕日塔の約束
ギギギと夕穂を見つめると、夕穂も同じく固まってて、足が震え始めた。


ゆ、夕穂の口から“ムリ”とか“あり得ない”とか聞きたくねぇ……!!


マイナスな考えばかりが頭を支配して、冷や汗が流れ出る。


だが夕穂は…思いがけない返事をしたのだった。


「………別に構わないんだけどね。ちょっとは傍にいてやっても……」


――――え?


目を見開いて夕穂を見ると、微かに赤い顔で、口元は少し笑ってる。


一瞬だけどつき合ってた当時の笑顔と同じに見えて、胸が高鳴った。


「ホントに………まだ本決まりでは無いんだけど…さ」
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